請求書作成に何時間もかかる理由は?効率化のための4ステップ
2026/03/11
2026/03/11
「毎月月末になると、請求書作成で夜遅くまで残業している」「請求書の発行だけで2~3日かかってしまう」
こんな状況に頭を抱えている経営者や事務担当の方も多いのではないでしょうか?
実は、請求書作成に時間がかかる原因は明確で、適切な見直しを行えば劇的に作業時間を短縮できます。
この記事では、請求書作成に時間がかかっている会社が今すぐ取り組むべき具体的な見直しポイントを、実践しやすい順に解説していきます。
※本記事に記載されている料金、補助金、制度などの情報は、2026年2月時点のものです。最新の情報については各サービスの公式サイトや関係機関にご確認ください。
まず、請求書作成に時間がかかっている会社に共通する原因を整理しましょう。自社がどのパターンに当てはまるかを確認することで、効果的な対策が見えてきます。
請求書を作成する前に「誰にいくら請求するのか」という情報を集める作業に、実は最も時間がかかっています。営業担当者に確認したり、複数のExcelファイルや紙の伝票を見比べたりと、情報が散らばっているほど時間がかかります。
具体的には、以下のような作業に時間を取られているケースが多いです。
特に中小企業では、営業部門と経理部門でデータ管理方法が統一されていないことも多く、「確認のための確認」が発生しがちです。
例えば、案件ごとに別々のExcelで管理している場合、月末にそれらを1つずつ開いて確認する必要があります。営業担当が外出中だと確認が取れず、請求書発行が遅れるケースも珍しくありません。
請求書作成の前段階でつまずくことが、業務全体の遅延につながっています。
Excelやワードで請求書のテンプレートを開き、顧客名、金額、品目などを1件ずつ手入力している場合、件数が多いほど時間がかかります。さらに、入力ミスのチェックにも時間を取られます。
特に取引先が20社を超えてくると、1件あたり5分の入力作業でも合計100分以上かかることになります。修正や入力ミスの確認も含めると、半日近くかかることもあります。
手作業が多いと、以下のようなヒューマンエラーも発生しやすくなります。
ミスが起きると、再発行や修正対応で追加の時間が発生します。「入力」と「チェック」に時間が奪われる構造が、業務効率を下げているのです。
請求書を発行する前に「上司の承認」「営業担当者への確認」「経理部門のチェック」など、複数の人が関わる場合、メールや紙のやり取りで時間がかかります。1人でも確認が遅れると、請求書の発行自体が遅れてしまいます。
承認者が出張中だったり、確認メールに気づかなかったりすると、請求書発行が止まってしまいます。紙で回覧している場合は、修正が発生すると再度回し直しになり、さらに時間がかかります。
このように、プロセスが複雑になるほど発行スピードは落ち、結果として以下のようなリスクにつながります。
このプロセスの複雑さが、請求書作成全体の遅延につながっているケースも少なくありません。
請求書作成の効率化は、やみくもに新しいシステムを導入するのではなく、現状の問題点を1つずつ解決していくことが重要です。ここでは、比較的取り組みやすく効果の高い3つのポイントを紹介します。
最初に取り組むべきは「請求に必要な情報をどこか1か所にまとめる」ことです。営業担当者ごとに異なるExcelファイルで管理していたり、紙の見積書や契約書が別々のファイルに保管されていたりする状態を改善しましょう。
具体的には、共有のExcelやGoogleスプレッドシートに「取引先名」「契約内容」「請求金額」「請求日」などの情報を集約します。これだけで、月末に情報を探し回る時間が大幅に削減できます。
まずは簡単な一覧表を作ることから始めてください。フォーマットは完璧である必要はありません。「誰が見てもわかる」「1か所を見れば全部わかる」状態を目指すことが大切です。
次に取り組みたいのが、請求書のフォーマットを統一することです。担当者によって異なる請求書を使っていたり、取引先ごとに毎回ゼロから作成していたりすると、その分時間がかかります。
標準化のポイントは以下の3つです:
1. 会社として1つの請求書フォーマットを決める
複数のパターンを作らず、基本的には1つのテンプレートで統一します。特別な取引先のみ例外対応とし、それ以外は標準フォーマットを使うルールにしましょう。
2. 自動計算の仕組みを入れる
Excelの関数を使って、単価×数量=小計、小計の合計、消費税、総額などを自動計算できるようにします。手計算や電卓での計算をなくすだけで、時間短縮とミス防止につながります。
3. 入力する項目を最小限にする
請求書に記載する項目が多すぎると入力に時間がかかります。法的に必要な項目(発行日、取引先名、金額、自社情報など)は残しつつ、不要な項目は削除しましょう。
請求書の承認プロセスを見直すことも重要です。現在のフローを紙に書き出してみて「本当にこの承認は必要か?」を1つずつ検証しましょう。
例えば、金額が少額の場合は承認を省略する、営業担当者の確認と経理のチェックを並行して行うなど、ルールを見直すだけでもスピードアップできます。
また、メールでの承認依頼を使っている場合は、ビジネスチャットツール(SlackやChatworkなど)に切り替えるだけでも、やり取りのスピードが上がります。紙での回覧をやめて電子ファイルで共有するだけでも、物理的な移動時間がなくなり効率化につながります。
基本的な見直しが完了したら、次は業務プロセス全体の効率化に取り組みましょう。ここでは、より時間短縮を実現するための具体的な方法を紹介します。
一元管理と標準化が進んだら、請求書発行システムの導入を検討するタイミングです。無理に高額なシステムを入れる必要はありませんが、適切なツールを使えば請求書作成の時間を劇的に短縮できます。
請求書発行システムを選ぶ際のチェックポイントは以下の通りです:
月額費用が予算内に収まるか
小規模な会社であれば、月額数千円程度で使えるクラウド型のサービスもあります。まずは無料トライアルがあるサービスを試してみるのがおすすめです。
既存の業務フローに合っているか
システムに業務を合わせるのではなく、今の業務の流れに近い操作ができるシステムを選びましょう。導入後に使いこなせないと意味がありません。
データのインポート機能があるか
現在Excelで管理している顧客情報や金額データを、システムに取り込める機能があると便利です。一から入力し直す手間が省けます。
請求書作成の効率化を突き詰めると「販売管理システムや受注管理システムから請求データを自動的に取り込む」という仕組みが理想的です。
例えば、受注時に入力したデータが自動的に請求書に反映されれば、月末に改めて請求書を作る作業自体がほぼ不要になります。このレベルの効率化には、システム間のデータ連携が必要になりますが、中小企業でも実現可能です。
ただし、いきなり複数のシステムを連携させるのはハードルが高いので、まずは「請求書発行システム」と「会計ソフト」の連携から始めるのが現実的です。請求書を発行すると同時に会計データに自動で記録されれば、経理作業の効率も上がります。
請求書を紙で発行している場合、印刷・封入・郵送の作業にも時間がかかります。取引先の了承が得られれば、PDF形式での請求書発行に切り替えることで、これらの作業時間を丸ごとカットできます。
電子化のメリットは時間短縮だけではありません。郵送コスト(封筒代、切手代)の削減、紙の保管スペースの削減、検索性の向上など、副次的な効果も大きいです。
ただし、取引先によっては「紙の請求書でなければ困る」というケースもあります。全社一斉に切り替えるのではなく、了承が得られた取引先から順次電子化していくのが現実的なアプローチです。
請求書作成の効率化に取り組む際、陥りがちな失敗パターンがあります。ここでは代表的な3つのパターンと、その対策を紹介します。
「効率化しよう」と意気込んで多機能な高額システムを導入したものの、操作が複雑で結局使わなくなってしまうケースです。特に、DXやITに不慣れな社員が多い会社では、この失敗が起こりやすいです。
対策:まずは小さく始める
最初から完璧を目指さず、まずは無料または低価格のツールで試してみましょう。使い慣れてから機能を追加していく方が、結果的にうまくいきます。また、導入前に必ず無料トライアルを使って、実際の業務で試してみることが重要です。
経営者やIT担当者だけでシステムを選んでしまい、実際に請求書を作成する事務担当者の意見を聞かないケースです。その結果「使いにくい」「前の方が良かった」と現場から不満が出て、定着しません。
対策:現場を巻き込んで選定する
システムを選ぶ段階から、実際に使う人に参加してもらいましょう。無料トライアルの期間中に現場の担当者に使ってもらい「これなら使えそうか」を確認してから導入を決めることが大切です。
現状の非効率な業務フローをそのままにして、システムだけを導入するケースです。例えば、承認プロセスが複雑なまま請求書発行システムを入れても、システム上で同じように複雑な承認フローを再現することになり、効率化の効果が薄れます。
対策:業務フロー見直しとセットで進める
システム導入をきっかけに「この承認は本当に必要か」「この確認作業は省略できないか」を見直しましょう。業務フローを簡素化してからシステムを導入することで、効率化の効果が最大化されます。
請求書作成を効率化すると、時間短縮以外にも大きなメリットがあります。ここでは、実際に改善に取り組んだ会社が実感している3つのメリットを紹介します。
請求書作成にかかる時間が減れば、月末の残業が減ります。また、残業代のコスト削減だけでなく、社員の負担軽減や満足度向上にもつながります。
さらに時間に余裕ができることで、他の重要な業務に時間を使えるようになります。例えば、顧客対応の質を上げたり、新しい営業活動に時間を割いたりできるようになります。
手作業での入力ミスや計算ミスが減ることで、取引先からの信頼も向上します。請求金額の間違いやダブル請求などのトラブルが減れば、謝罪や修正対応に費やす時間もなくなります。
特に、自動計算機能やデータ連携を活用することで、人為的なミスをほぼゼロにできます。正確な請求書を期日通りに発行できることは、会社の信頼性を高める重要な要素です。
請求書の発行が早くなれば、その分入金も早くなります。例えば、月末締めの請求書発行が5日早まれば、入金も5日早まる可能性があります。資金繰りに余裕が生まれ、経営の安定性が向上します。
また、請求漏れが減ることも重要です。情報が一元管理されていれば「あの案件の請求を忘れていた」というミスを防げます。本来得られるべき売上を確実に回収できるようになります。
ここまで紹介した内容を踏まえて、実際に請求書作成の効率化を進めるための具体的なステップを整理します。焦らず1つずつ進めることが成功のカギです。
まずは「請求書作成に実際どれくらい時間がかかっているか」を正確に把握しましょう。情報収集、データ入力、確認作業、承認待ち、印刷・郵送など、工程ごとに時間を記録します。
測定期間は最低1週間、できれば1か月分の請求書作成を通して記録すると、正確なデータが取れます。この数字が「改善前のベースライン」となり、後で効率化の効果を測る基準になります。
記録したデータを見て「どこに一番時間がかかっているか」を分析します。情報収集なのか、入力作業なのか、承認待ちなのか。最も時間がかかっている部分が、優先的に改善すべきポイントです。
例えば、情報収集に最も時間がかかっているなら「情報の一元管理」から始めます。承認待ちの時間が長いなら「承認フローの簡素化」に取り組みます。自社の状況に合わせて優先順位をつけましょう。
特定したボトルネックに対して、本記事で紹介した改善策を1つずつ実行します。一度にすべてを変えるのではなく、1つの改善が定着してから次に進むのがポイントです。
例えば、まず1か月目は「情報の一元管理」に取り組み、2か月目に「請求書テンプレートの標準化」、3か月目に「承認フローの見直し」というように段階的に進めます。
改善を実行したら、必ず効果を測定しましょう。ステップ1で記録した作業時間と比較して「どれくらい短縮できたか」を数字で確認します。
効果が出ていれば、次の改善策に進みます。効果が薄い場合は、やり方を見直したり、別のアプローチを試したりします。このPDCAサイクルを回し続けることで、継続的な改善が実現します。
請求書作成に時間がかかっている原因は、情報収集の手間、手作業の多さ、承認プロセスの複雑さの3つに集約されます。まずはこれらを見直すことから始めましょう。
効率化の鍵は「いきなり完璧を目指さない」ことです。情報の一元管理、テンプレートの標準化、承認フローの簡素化という基本的な改善から始めて、必要に応じてシステム導入を検討する。この順番で進めることで、失敗リスクを減らしながら着実に効率化できます。
請求書作成の時間が減れば、月末の残業が減り、ミスも減り、キャッシュフローも改善します。結果として、社員の負担軽減と会社の成長の両方を実現できます。
ぜひ本記事で紹介したステップを参考に、自社での改善に取り組んでみてください。
「一人で進めるのは不安」「専門家のサポートが欲しい」という方は、お気軽にご相談ください。
ゼロイチラボは、独自の開発ノウハウを活かし、貴社の課題に合わせたソリューションを提案いたします。まずは現状をお聞かせください。